Kiryoku: Jurnal Studi Kejepangan
Vol 8 (2024): Kiryoku: Jurnal Studi Kejepangan (Special Edition)

THE MARGINALIZATION EXPERIENCED BY THE SURVIVING SPECIAL ASSAULT PILOTS, ALSO KNOWN AS TOKUBETSU KOUGEKI, DURING WORLD WAR II.

Nurita, Wayan (Unknown)



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Publish Date
30 Sep 2024

Abstract

Abstract 要約: 本稿では、第二次世界大戦中の特攻(特別攻撃)において戦死しなかった特攻隊員に対する周縁化について論じている。本研究において用いたデータは、特攻の使命を受けてその任務にあたった元特攻隊員へのインタビュー結果について、日本語で書かれ日本で出版された書籍に基づく文献調査により得たものである。加えて、自決を強いられるこの任務を遂行する前に特攻隊員らが胸の内を記した遺稿集等も分析した。研究方法としては、解釈的・質的・記述的研究方法を用いた。本研究に用いた理論は、グラムシのヘゲモニー論、バーカーのメディアに関する理論、フーコーの知と権力の理論である。データ収集においては、スギヨノによるデータ収集技術(文献・文書調査を含む)を用いた。データの分析結果から、特攻任務において戦死しなかった特攻隊員は極度の周縁化的扱いを受けたことがわかった。例えば、生きて帰還した特攻隊員は振武寮での幽閉、上官による叱咤、侮辱を受け、それを受けることによる精神的苦痛に見舞われた。振武寮での幽閉期間中、彼らは次の特攻で必ず死んで来るよう命じられていた。また、戦争中は特攻隊員を軍神と崇めていたにもかかわらず、日本の敗戦後は手の平を返したように、元特攻隊員を国賊だと罵る一般市民の目にも苛まれた。さらに、戦後において、自身が受勲した勲章の剥奪や、特攻隊員の家族が受け取った見舞金の返金を要請されるなどといった物理的圧迫も受けている。 

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